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「ドラゴンクエストXを支える技術」

読書の秋なので、ということではないですが「ドラゴンクエストXを支える技術」を読んでみました。

ドラゴンクエストXを支える技術 ── 大規模オンラインRPGの舞台裏 (WEB+DB PRESSプラスシリーズ)

ドラゴンクエストXを支える技術 ── 大規模オンラインRPGの舞台裏 (WEB+DB PRESSプラスシリーズ)


これ、たぶん読む人によっては面白くないと感じる人も少なくないかもしれないです。

私にとっては十分に面白かったです。


この本に書かれている内容は色んな点で結構広く浅くという感じではあるので、
例えば、ゲームエンジンそのものを深く知りたいという人なんかは以下の本とか読んだ方がいいと思います。

ゲームエンジン・アーキテクチャ 第2版

ゲームエンジン・アーキテクチャ 第2版


先にも書きましたが、「ドラゴンクエストXを支える技術」の内容は広く浅くなので具体的な各技術の話を極端に深く掘り下げたりはしてないです。

Arxanで難読化したり、監視の一部にZabbix を使ってたりとか、技術ワードは出てきますが、それについて深く知りたい人向けではないです。

ドラゴンクエストXといえばOracle Exadataを使っていることで有名ですが、 Oracle Exadataについての深い知見をこの本から得ることもできません。


それでも私が面白いと感じたのは、
売り切り型のこれまでのゲームとは違う、継続的な改善や開発が必要となるオンラインゲーム(サービス)を運営・運用する部分の苦労を語ってくれている点です。
自社サービスをサービスインさせるまで、そして運用開始してから、どういうことが起こるのかを、
失敗談や運用フローの地味とも思える点まで含めて書いてくれていて、私自身は参考になりました。
(ドラクエXという巨大なオンラインゲームサービスに対してこういうった内容を知る機会は普通はなかなか無いと思います)

成功話は、コンテキストに応じて応用が効かないケースが少なくない気がしますが、
失敗談からは学べることが多くあると思います。そういう意味で、この本には価値があると思います。

ドラクエXは、他の企業向けサービスよりも遥かに真摯な態度でお客様に対して運営・運用をされているように感じられました。
(サービスは運用を開始してからがスタートという感覚を改めて思い起こさせてくれた気がします。)

自社サービスを開発、運用されている(エンジニアの)方なら読んでみていいんじゃないかと思います。


それにしても、ドラゴンクエストXは1日で発生するサーバログが100億行って、びっくりでした。


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